素材:Abundant Shine様
「うわっ、どっピンク!!」 ニコールと同室になったは辺り一面のピンクに辟易していた しかし、女ならこれくらい普通だというニコールの言い分に押し負けた この部屋で寝るようになってから夢見が悪くなった気がする #004: Let’s Party ん?なに? 胸の辺りがムズムズするんだけど… うぎゃーーーーっっ!!! 突如、&ニコールの部屋から悲鳴が轟きファミリーのメンバー達が部屋に飛び込んできた そこで彼らが目にしたのは顔を腫らしたニコールがベッドで倒れている姿だった 「い、いったい何があったのですか?」 「何がじゃねぇよ、コイツ…寝ている私の胸を揉みやがった」 「「「えっっ!?」」」 ―― ニコールがの胸を揉んだ ニコールの奴、なんてオイシイ事を…と、彼らはみんなそう思った だが、当のニコールは反省をするどころか何故自分がに殴られたのか解っていないようだった 「なによ〜、拳で殴らなくてもいいじゃない 同じ女なのにちゃんは胸があるんだもの…ちょっと触ってみたかったのよ〜」 「ふざけんじゃねぇぞ、このオカマ野郎!しかも触ったんじゃなくて揉んだじゃねぇか!!」 「だってぇ、羨ましかったんだもん」 「羨ましかったじゃねぇ、ったく油断も隙もないったら!」 「とんだ災難だったねちゃん、今夜から俺の部屋で寝るかい?」 「あ…いや、それはまた別な意味で危ない気がするから遠慮しとく」 それは残念とルチアーノは笑っていたが、そこは笑うところじゃないから。 「それより…お腹空いた」 食いしん坊のレオが不機嫌そうに言うので、苛立ちを抑えながらはキッチンへ向かった 朝のキッチンは、それは賑やかで黙々と食べる者、好き嫌いを言う者と様々だ 中でもヴィシャスは後者の方で、ボウルの中のトマトをこそこそと避けていた 「何してんの?」 「うるせぇな…、何でオレのにだけこんなにトマトが入ってんだよ」 「やーね、サービスよサービス」 「テメェ…オレが嫌いなのを知っててわざとやりやがったな」 「あら、人聞きの悪い事言わないでよ これは思いやりよ…っていうか親心?」 ヴィシャスは「けっ」と、舌打ちを一つして逃げるように席を立った キッチンを出て行くヴィシャスの背中を見ながらは次の手を考えていた 次はどんな嫌がらせをしてやろうか… その後、片づけを終え食後のコーヒーを皆で飲んでいる時、ニコールがある提案をした 「ねぇ、こうして皆集まっているんだからパーティでもしない?」 「は?パーティ!?」 「これだけ騒がしいのだから毎日パーティしているようなものだろう?今更改めてやることもない」 「グロリーって相変わらずね、そんなつまらない男は女にモテないのよ」 「そうなのか?」 そうなのか?って… グロリーってそんなこと気にしてたの? 「パーティも楽しそうですが、今はファミリー再結成の為に何をするべきか考えないと…」 メディシスもグロリアの意見に賛成のようだったが、 そこはニコール…強引に押し切ろうとひたすらパーティの為に頑張っていた 「んもう、だからじゃない…ファミリー再結成祝いと、あとは…フフフ ちゃんのボス就任祝い?」 ボス就任祝いの後に?マークがつくのが気になるけど、パーティの発案はいいと思うんだよね 「別にパーティくらいしてもいいんじゃない?」 「ほら、ボスであるちゃんの許しも出た事だし決まりね!!」 「じゃあ、ご馳走の用意しなくちゃね」 「何言ってるのよ、ちゃんは今夜の主役なんだから何もしなくていいのよ 今夜の食事の用意は…レオ、アンタがやりなさい」 「のためなんだね?…いいよ、やる……ちょっと面倒くさいけど…」 ニコールに押し切られ、「仕方ありませんね」とグロリアもメディシスも納得すると レオが仕切ってパーティの準備をすることになった 「それじゃあ、Let’s Party♪」と楽しそうに叫ぶと、各自与えられた仕事を始めた 「ちゃんはアタシといらっしゃい」 手持無沙汰になってしまったはニコールに連れられ部屋に戻った ピンク色に染まる部屋に戻ると、ニコールはクローゼットの中から服を出しベッドの上に広げた そして、それをに着るように促した だが、その服はどう見てもニコールの趣味でには抵抗があった 「さっさと着るのよ」 「いや…ちょっと……抵抗が…」 「お黙りっ!」 こういう時のニコールはちょっとコワイ。 いくら私でも生きている時からこんな派手なのは着た事がない 正直自信がないっていうのが本音だ だけど、ニコールが「アタシを信じなさい」って言うから渋々袖を通した 真っ赤なキャミに黒のレザースーツ キャミソールはやけに胸元が開いてるし、スーツのスカートはタイトなうえに超ミニときてる 黒のストッキングに真っ赤なパンプス 確かにマフィアの女ボスっぽいけど、スカートが短くて足がスースーするし、 胸元の谷間が無駄に男を誘っているみたいで私には無理があるような気がする 自分の姿を客観的に確かめたくても、死神故に鏡に映らない 「あら、似合うじゃない」とにニコールが声を掛けるが、 もしかして、普段の仕返しに騙されているのではないかと半信半疑で思わず溜息が出る すると、ニコールは「本当に似合ってるわよ、悔しいけどね」と笑った 「アンタはねぇ、女の子のわりに背は高いし、 髪もブルーネットだからインナーの赤が映えるのよ」 「はぁ…、でも胸元が開き過ぎなような…」 「お黙り!あるものは出し惜しみするんじゃないわよ」 「そんなものかよ」 「そんなものよ」 何か上手く言いくるめられた気がするけど、今夜はパーティだし 仮装してると思って諦めるしかなさそうだ そして、やがて夜はやってきた パーティの用意がされたリビング、各々がパーティの始まりを待っていると がニコールに手を引かれ階段から降りてきた ニコールが用意した例の服の上に肩から白いトレンチコートを羽織っているの姿を見ると そこに居た全員が言葉を失った は一人用のソファに腰を掛けると、足を組んだ すらりと伸びた脚に視線が集まり、ゴクッと息をのむ音がする 「お、お前……か?」 「なに?笑いたければ笑えば?」 「え?…あ、いや……いいんじゃねぇか?」 「うん、いいねちゃん やっぱり今夜は俺の部屋で寝るかい?」 「すごい…本物のボスみたい」 「そうですね、あなたの右腕になれるなんて私は幸せだと思います」 「俺も同じだな、お前が我々のボスである事を光栄に思う」 グロリアはに近付くとその手を取り、手の甲にそっとキスを落とした するとニコラスが真っ赤な顔をして一人焦っていた 「うわっ、兄貴…よくそんな事が人前で出来るな……ま、気持ちは分かるが… っていうか、ヨシュアお前…何でお前まで顔を赤くしてるんだ?」 「べ、べつに…赤くなってなんか…」 「最低…、アメリアがいるのに……浮気?」 「ばっ…ち、違う」 予想外にに見惚れているヨシュアの反応が面白かったらしく ニコールが彼の耳元で「バラの花みたいよね〜」とヨシュアをからかっていた ふぅん、何か面白いじゃない? まさか、皆がそんな反応をするとは思ってなかったしね 結構この手は使えるかもしれない の赤いルージュをひいた唇が妖しいくらいの笑みを浮かべた 「私に触れたら棘が刺さるから気をつけてね」 私達はジャンの存在も忘れ思う存分パーティを楽しんだのだった BACK TOP NEXT |