素材:Abundant Shine様
成り行きとはいえ現世に戻りたかったからマフィアのボスになったのはいいけど だいたいボスって何をすりゃあいいの? とりあえず、ジャンのお陰で私達はダレンの屋敷で ファミリーの再結成をすることになったのだが… #003: 役割 「ところで…アンタ、いつの間にここに?」 「最初っから居ただろう?」 「そうだっけ?いやぁ影が薄くて気付かなかった」 「けっ、どうせ俺はそんな存在さ」 「っていうかさ、ヨシュア何でアンタがここにいるわけ?」 「俺が知るわけないだろう?気付いたらお前達と一緒に居たんだよ ……ったく、マフィアなんて大嫌いなのに…」 「まぁまぁ…きっとアメリアの魂がヨシュアをここに呼び寄せたんだよ」 「そ、そうかなぁ!?…うん、そうかもしれない きっとアメリアが転生して俺のところに会いに来るんだ」 「きっとそうだよ、良かったねヨシュア」 「あぁ、アメリア…俺はいつまでもここでお前を待ってるよ」 なんて扱いやすいヤツなんだ 退屈しなくて済みそうだよ 何となくジャンの気持ちが分かるような気がするのは何故? 「今度はヨシュアで遊ぶつもりかい?」なんてルチが笑っていたけど 次はルチかもしれないよ?なんて事は、今は黙っておく事にしよう それにしても住処を決めたのはいいけど、3年もの間空き家になっていた家は 随分と埃っぽく汚れていた 「まずは部屋割をして、それから掃除だね」 「では、はアメリアが使っていた部屋を使うといい」 「そうですね、は女の子ですからその方がいいでしょう 埃っぽいですが掃除をすれば使えるものもあるでしょう」 「せっかくだけど遠慮するわ…アメリアが使っていた部屋はヨシュアが使えばいい」 グロリーとメディシスは私が女の子ということで気を遣ってくれたのかもしれないけど なんかヨシュアが凄い目で私の事見てるんだよね 彼って神父のくせに腹黒っぽいし、きっと私がその部屋を使ったら 黒魔術とかで悪魔を呼び出しそうだしね 取りあえずアメリアが使っていた部屋はヨシュアに譲る事にしよう 「ほら、アメリアとの思い出に浸ってきな」 「…お前っていいヤツだな」 「ど、どういたしまして」 思わずヨシュアに抱きつかれて鳥肌が立ってしまった事は黙っている事にしとこうか。 「では、の部屋はどうしましょうか?」 「…僕と寝る?」 レオが誘ってくれたけど、どうも彼は言葉が足りないようで それがまたニコールのセンサーに引っかかったみたい 「んまぁ、ガキのくせに寝るだなんて…女を誘うなんて10年早いわよっ!」 「んじゃ、オレと寝るか?」 「ヴィシャスまで何言っちゃってるのよ」 「そうだね、ヴィシャスじゃ物足りないよな?やっぱりここは俺と… 俺なら君を充分に楽しませてあげられると思うんだけど…ね?」 「ルッチ!アンタのそのテクはアタシに使えばいいのよ」 「何か盛り上がってるとこ悪いんだけど…私は別に誰と寝てもいいんだけど…」 「んまぁああーー!!何て事をっ!!ダメよちゃんそんなに自分を安売りしちゃあ… 仕方ないわね、ちゃんの貞操を護る為にもアタシと一緒に寝ましょ?」 「えーー!?ニコールと?」 「何よいいじゃない、女同士なんだから」 いったい誰に決定権があるんだか… 結局、ニコールに押し切られて私は彼女(?)と同じ部屋になってしまった その後私達は各々の部屋を掃除して居間に集まった 食事はメディシスが調達して来てくれたものを軽く食べた 「キッチンにコーヒーがあったけど淹れてこようか?」 「え?お前コーヒーなんて淹れられるのか?」 「私を誰だと思ってるのよ」 「女じゃねぇことは確かだな」 「ヴィシャス…テメェには淹れてやんねぇ」 「まぁまぁ…、お願いしてもいいですか?」 「僕、手伝う」 ヴィシャスに言われた事に腹が立ったが、ここは一つ大人になるしかないとばかりに はコーヒーを淹れにレオとキッチンへ向かった そして、コーヒーを持って居間へ行くとグロリーが立ち上がって話を始めた 「みんな揃ったようだな」 「何か相談?」 「というか、これからここで生活をしていくために役割を決めた方がいいと思うんだが…」 「役割?」 役割と聞いて、「適当でいいんじゃねぇ?」とか「面倒くさい」とかそんな言葉が飛び交う 確かにね、私も面倒くさいし適当でいいとは思うけどコイツらの性格上、 このままだと収拾がつかないだろうからグロリーの言う通りかもね 「で、どうすればいいの?」 「そうだな…まずは食事担当だな」 「うん、それ大事」 「ちょっと待ってよ、食事も大事だけど…その前に金が必要なんじゃないの?」 食う為には食材だって必要だし、だけどそれを得るためには金がいる そもそも私達死神が飯を食うっていうのも可笑しなもんだけど… そんな事を考えていたらメディシスが「お金の心配はありません」とニッコリ笑った しかし、皆はその言葉に驚いた だって、私達つい昨日まで地獄に居たんだよ?金なんて持ってるわけないじゃない? もしかして、ジャンが用意してくれてたなんて事は…絶対にないな すると、メディシスが笑いながら説明してくれた 生前、彼はファミリーの中で財政管理をしていたという そして、この家には彼が作った隠し金庫があって、そこには十分すぎる金があるらしい 地獄に仏とはこの事だろう 誰の反対もなかった、メディシスの役割は全員一致で『財政管理者』となった 「お金が必要な時は私に言って下さい」 「は〜〜い!!」 「さて、次は食事担当だな」 「そんなのに決まってるだろ」 「何で私なのよ」 「ま、なんつーか…お前ボスだし?」 「おいヴィシャス、調子こいてんじゃねぇぞ だいたい何でボスが食事を担当すんのよ ボスってふんぞり返ってりゃいいんじゃないのかよ」 「お前こそ調子こいてんじゃねぇ…ボスって言うのはなぁ先頭きって働くもんだぜ 働かざるもの食うべからずって習わなかったのかお前?」 けっ、この赤頭 超うぜぇよ 絶対この男の料理の中に毒を盛ってやる! がヴィシャスの言動が面白くなくてソファにどっかり座って不貞腐れていると レオが隣に座ってきてに耳打ちをした 「ヴィシャスの嫌いなものに教えるよ」 「え?なになに?……へぇ…ほうほう……ふーん」 にやり 「ヴィシャス、私食事担当やるよ うぅん、やらせて♪」 「え?あ…まぁ…やる気になったならいいけどよ」 ふふん、覚えてろよ アンタにはスペシャルメニューを用意してあげるから… かくして、それぞれの担当が下記のように決定した 財政管理:メディシス 食事担当:、レオナルド 買い物担当:ルチアーノ、ニコラス 修理担当:グロリア ビューティ担当:ニコール(意味わからん) その他雑用:ヴィシャス、ヨシュア(特にヴィシャスはゴミ捨て担当) まぁ、納得する者、文句を言う者と様々だったけど ルールを守らないヤツは1週間お金も食事も与えられないという罰が加えられる事になった それともう一つ、 ボスの権限でルールを増やす事ができる …とだけ付け加えておこう! BACK TOP NEXT |